SNSと配信はなぜ人を壊す?炎上・晒し・承認欲求漫画6作から考える *広告付き

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炎上、晒し、公開復讐、子どもの顔出し、承認欲求。

SNSや動画配信を題材にした漫画を読んでいると、幽霊や殺人とは違う方向で「これ、普通に怖いな」と感じることがあります。

怖いのは、ネットそのものが人を悪くするからではありません。

投稿する。反応が返ってくる。もっと見られる。さらに過激なことをする。

そんな小さな積み重ねによって、最初なら止まれたはずの場所を通り過ぎてしまうことです。

この記事では6作品をおすすめ順に並べるのではなく、作品内で描かれている炎上・拡散・承認欲求・公開復讐などを例に、「SNSと配信では何が止められなくなるのか」を考えていきます。

目次

先に結論|怖いのは投稿ではなく「止める人がいなくなること」

SNSや配信を題材にした漫画を6作品見比べると、共通して怖いのは「一度始まったものを誰が止めるのか分からなくなること」でした。

最初の投稿をしないことはできます。

ですが、一度ネットへ公開された後は話が変わります。

  • 投稿者が消しても、転載した人までは消せない
  • 配信者がやめたくても、視聴者は続きを要求する
  • 再生数が伸びれば、もっと過激な企画を試したくなる
  • 復讐が支持されれば、「次の制裁」が期待される
  • 親が撮影者なら、子ども自身が公開を拒否しにくい
  • 人気者なら、それだけで信用できる人に見えてしまう

それぞれ違う問題に見えますが、根っこには共通点があります。

ネットへ公開した瞬間から、本人だけではコントロールできない人・数字・コピーが物事へ参加し始める。

今回取り上げる6作品は、その怖さをかなり違う方向から描いています。

SNSと配信には人を止まれなくする仕組みがある

SNSや配信で怖いのは、悪人だけが問題を起こすわけではないところです。

むしろ最初の動機だけを見れば、それほど異常ではないケースもあります。

  • 悪いことをした人間を告発したい
  • 自分を傷つけた相手へ復讐したい
  • 配信者として有名になりたい
  • 家族の日常を記録したい
  • 人気配信者と仲良くなりたい

ところが、その行動へ再生数・コメント・拡散・賞賛・収益が加わると話が変わります。

「これ以上はやめておこう」という判断より、「次はもっと伸びるかもしれない」が勝ち始めるからです。

そして配信の場合、その変化をリアルタイムで観客が見ています。

一人なら躊躇したかもしれない行動でも、コメント欄から「もっとやれ」「次も見たい」と返ってくれば、その場では正しい選択に見えてしまうことがあります。

今回の6作品を見ると、ネットの怖さは単なる「炎上」ではありません。拡散する人、見る人、数字を押し上げる人まで含めて一つの状況を作ってしまうところにあります。

炎上|告発だったはずのものが娯楽へ変わる

この怖さが分かりやすいのが『炎上ヒーローアコ』です。

例:炎上ヒーローアコ

作品の状況
バカッター、やらせ、不適切発言などで騒ぎを起こす「炎上メイカー」を、配信者アコが罰していきます。

ここから見える怖さ
悪事を世間へ知らせる行為と、悪人が制裁される様子を楽しむ行為は、ネット上では同時に成立してしまいます。

炎上には、本来なら隠されていた問題を表へ出す力があります。

ですが、その人物を追い詰める様子までコンテンツになった瞬間、目的が変わり始めます。

問題を知らせることよりも、「次はどんな悪人が出てくるのか」「どんな罰を受けるのか」が注目されるようになるからです。

そして視聴者が増えるほど、配信する側にも結果を求める圧力がかかります。

正義を届けるための配信でも、観客が増えれば「正義を見せ続ける番組」へ変わる可能性がある。

炎上ものの漫画を見るときは、「誰が悪いか」だけでなく、なぜその制裁を公開する必要があるのかまで見ると面白くなります。

拡散|投稿者が消しても終わらない

SNS特有の怖さとして、もっと直接的なのが「コピー」です。

例:消せない「私」 ~炎上しつづけるデジタルタトゥー~

作品の状況
高校時代に罠へはめられ、被害を写した画像や動画を拡散された灰原硝子。ネット上に残り続ける記録によって、その後の人生まで壊されていきます。

ここから見える怖さ
投稿した本人が削除しても、すでに保存・転載されたデータまでは取り戻せません。

現実世界なら、嫌な出来事が終われば時間とともに知っている人は減っていきます。

ネットでは逆のことが起こります。

過去の出来事でも、検索されれば現在へ戻ってきます。

しかも本人が何もしなくても、第三者がコピーを残していれば再び拡散できます。

ここでは「投稿した本人が反省したか」は、それほど重要ではありません。

一度他人の端末へ渡った情報は、最初の投稿者ですら完全には止められない。

『消せない「私」』の怖さは、炎上した瞬間だけではなく、加害者が忘れた後にも被害者だけが過去を背負い続ける時間差にあります。

承認欲求|数字が判断基準を書き換える

配信には、SNSよりさらに分かりやすい「数字」があります。

再生数、同時視聴者数、登録者数、コメント、投げ銭。

自分の行動に対する反応がすぐ返ってきます。

例:予言獣~不幸の予言チャンネル~

作品の状況
底辺配信者の佑真が、人の死を予言する不気味な生き物を配信へ利用します。

ここから見える怖さ
人の不幸すら「当たる企画」として数字へ変換されることで、止めることより次の結果を期待する方向へ判断が変わっていきます。

承認欲求自体は珍しいものではありません。

誰でも褒められれば嬉しいし、投稿したものへ反応があれば次も投稿したくなります。

問題は、過激なことをしたときだけ数字が大きく伸びる状況です。

普通の動画では100回。

刺激的な動画なら1万回。

そういう結果が何度も返ってくれば、「何を配信したいか」ではなく「何なら伸びるか」が判断基準になります。

数字は命令してきません。しかし、数字が伸びた行動だけを繰り返すようになると、結果的に数字が行動を決めるようになります。

公開復讐|観客がいることで終われなくなる

個人的な復讐と配信が組み合わさると、さらに複雑になります。

例:復讐チャンネル ウラミン ~公開処刑ナマ配信中~

作品の状況
人気チャンネル「うらみんTV」を運営する吉浦みのりが、自分を地獄へ落とした加害者への復讐を生配信します。

ここから見える怖さ
本来なら本人と加害者の間にあった復讐へ、大勢の視聴者が参加するようになります。

一対一の復讐なら、終了条件は本人が決められます。

ところが配信すると、第三者が続きを待つようになります。

「もっとやれ」

「次は誰だ」

「そいつにも同じことをしろ」

そうした反応が支持として返ってくれば、復讐する側にとっても降りにくくなります。

被害者だった人物が大勢から肯定されることは救いにもなります。

しかし、その肯定が「復讐している自分」に対して与えられているなら、復讐を終えた瞬間に失うものも大きくなります。

観客がいる復讐では、「自分が納得したから終わり」だけでは済まなくなる。

家族配信|撮る側と撮られる側の力が違いすぎる

SNSの怖さは、公開する本人が暴走するケースだけではありません。

自分では投稿を止められない人が撮影対象になっている場合は、さらに厄介です。

例:娘、配信します。~子供を晒す毒親たち~

作品の状況
小学4年生の結衣は、娘の日常や感情まで動画へする母親と暮らしています。本人が嫌がっても、撮影は続きます。

ここから見える怖さ
撮影者が保護者であるため、撮られる側は家へ帰っても逃げられません。

家族動画では「家族の日常」「成長記録」という言葉が使えます。

しかし、公開する親と公開される子どもでは立場が同じではありません。

親は撮影を始められる。

親は編集できる。

親は投稿できる。

親は収益を得られる。

一方で、子ども側に同じだけの拒否権があるとは限りません。

この問題で重要なのは「投稿していいか」だけではなく、撮られる側に本当にNOと言える力があるのかです。

炎上や承認欲求とは少し違いますが、「公開する権限を持つ人」と「公開される人」の力の差も、SNSを考えるうえではかなり怖い部分です。

人気配信者|知名度が信用に見えてしまう

もう一つ、配信者という存在そのものから生まれる危険もあります。

例:監禁ちゃんねる 人気tuberの裏の裏

作品の状況
伸び悩む新人MyTuber・澤村カンナが、人気配信者への弟子入りを目指して接触し、その先で危険な状況へ巻き込まれます。

ここから見える怖さ
知名度や登録者数は、その人物の人格や安全性を保証するものではありません。

画面越しに何度も見ている人物には、知らない人という感覚を持ちにくくなります。

しかも自分より成功している配信者なら、「この人から学びたい」「近づきたい」という気持ちも生まれます。

そこで厄介なのが、知名度と信用が混ざることです。

登録者が多い。

動画で何度も見た。

ファンがたくさんいる。

それらは、その人物と二人きりになって安全である証明にはなりません。

「有名だから安心」ではなく、有名だからこそこちらが警戒を解いてしまうこともあります。

6作品を「何が止められないか」で整理する

ここまでの6作品を、ジャンルではなく「誰が何を止められなくなるのか」で整理すると違いが分かりやすくなります。

作品 止められなくなるもの 怖さの中心
炎上ヒーローアコ 制裁の過激化 正義と娯楽の境界
消せない「私」 画像・動画の拡散 第三者が持つコピー
復讐チャンネル ウラミン 公開復讐 観客からの期待
娘、配信します。 自分の情報公開 親子の力関係
予言獣 過激な配信 再生数と承認欲求
監禁ちゃんねる 人気者への接近 知名度と信用の混同

こうして見ると、「SNSの怖い漫画」と一言でまとめても、描いているものはかなり違います。

ただし共通しているのは、当事者だけで完結しないことです。

視聴者、フォロワー、転載する第三者、家族、ファン。

ネットにつながった瞬間から、本来その場にいなかった人間まで出来事へ参加できるようになります。

もっと暗い配信漫画を読みたい人へ

この記事では、6作品を使って「SNSと配信が人を止まれなくさせる仕組み」を中心に見てきました。

作品そのものをもっと探したい場合は、別記事で炎上・復讐・毒親・心霊・監禁・デスゲームまで含めた暗い配信漫画をまとめています。

まとめ|ネットの怖さは誰もブレーキを踏まなくなること

SNSや配信の怖さを考えるとき、炎上したこと自体へ目が向きがちです。

ですが今回の6作品を見比べると、その前後にある仕組みの方が厄介です。

  • 炎上すれば、正義の制裁すら娯楽になる
  • 一度拡散されれば、最初の投稿者にも回収できない
  • 数字が伸びれば、さらに過激な行動を試したくなる
  • 観客が集まれば、個人的な復讐にも続きを求められる
  • 撮る側が強ければ、撮られる側には拒否する力がない
  • 人気が信用に見えれば、本来なら警戒する相手へ近づいてしまう

どれも配信やSNSが存在しなければ絶対に起こらない問題、というわけではありません。

復讐も、搾取も、承認欲求も、昔から存在します。

ただ、ネットにはそれらを速く、大きく、大勢へ広げる仕組みがあります。

ネットが人を突然別人へ変えるのではなく、もともと持っていた欲望や悪意へ、数字・観客・拡散力というアクセルを追加する。今回の6作品から見えてくる怖さは、そこにあります。

そして一番厄介なのは、アクセルを踏んでいる人が一人とは限らないことです。

投稿する人。

見る人。

拡散する人。

続きを要求する人。

一人ひとりは「見ていただけ」「いいねしただけ」でも、その反応が集まれば配信者へ巨大な数字として返ってきます。

「誰が悪いのか」だけを見るより、「どの時点なら止められたのか」「そのとき誰がブレーキを踏めたのか」を見る。
炎上や配信を扱う漫画は、この視点で読むとかなり違った怖さが見えてきます。

もっと作品そのものを探したくなったら、炎上・復讐・心霊・監禁・デスゲームまでまとめた暗い配信漫画10選も合わせてどうぞ。

     

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