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正直な話、異世界無双や溺愛テンプレが悪いわけじゃない。
ただ、似たような展開が続くと「次はもう少し違う刺激が欲しいな……」と思う瞬間はある。
Dジェネシスは、そんなタイミングで出会うとちょうどいい作品だ。
棚ぼたで最強の立場に立ちながらも、力で押し切ることはせず、研究者メンタルでダンジョンを攻略していく。
データ、検証、再現性――知的好奇心が物語を前に進めていくローファンタジーとして、かなり異色で、だからこそ強く印象に残った。
目次
無双や溺愛に疲れた人へ|Dジェネシスが刺さる理由
俺TUEEEE系や溺愛ものを読み漁ってきたけど、最近「またこの流れか……」と感じること、ありませんか?
私は何度もこの思いに襲われて色んなジャンルに飛びましたよ。
無双も溺愛も大好物でしたが、過剰供給しすぎて飽きが来ちゃいました。
無双系も溺愛系もおなか一杯の諸君には、Dジェネシス ダンジョンが出来て3年。って言う作品を知ってほしい。
・世界観が練られてる。
・調査・検証がセット。
・試行錯誤の末、ダンジョンを攻略する。
過程も大事にする諸君なら刺さるでしょう。
過去の私と同じところで立ち止まっている人に向けて、この作品をレビューしたいと思います。
気づいたら最強。でも使い方がわからない主人公
気づいたら最強。
それだけ聞くと、またいつもの無双系かと思うかもしれません。
ですが**Dジェネシス ダンジョンが出来て3年**の主人公は、その“最強”をまったく信用していません。
むしろ「これ、本当に安全に使っていいのか?」と疑い続けます。
能力は確かに破格。
けれど、その能力が
・どこまで通用するのか
・どんな条件で発動するのか
・再現性はあるのか
それが分からないうちは、決して無理をしない。
棚ぼた最強なのに慎重すぎる研究者メンタル
この主人公の思考は、英雄というより研究者です。
戦って確かめるのではなく、調べて、検証して、データを集めてから一歩踏み出す。
いわゆる「棚ぼた最強」ではあるものの、それを勢いで振り回すタイプではない。
「使い方を誤れば、取り返しがつかないかもしれない」
そう考えてしまう小心さがあるからこそ、行動の一つ一つに理由があり、納得感が生まれます。
この慎重さがあるおかげで、読者は「どうせ勝つでしょ」と冷めることなく、
**次は何を確かめるんだろう?**という興味を持って読み進められる。
最強なのに、慢心しない。
最強なのに、すぐに振るわない。
人間を逸脱しない成長を選ぶ理由
最強の力を持っているなら、もっと派手に成長してしまえばいい。
そう考えるのが普通でしょう。
ですが**Dジェネシス ダンジョンが出来て3年**の主人公が一般人レベルの成長に留まっている理由は、もっと現実的で、そして生々しいものです。
それは、国やお偉いさんに目を付けられないため。
この世界では、
ダンジョンも能力もすでに国家の管理対象になりつつあります。
そんな中で突出した力を持てば、調査・監視・囲い込みの対象になるのは避けられません。
主人公はそれを最初から理解しています。
だからこそ、
「強くなれない」のではなく、「強くならないように振る舞っている」。
目立たず、騒がず、あくまで一般人の延長線上にいる存在でいること。
それが彼の信条です。
これは勇者でも英雄でもない、現代日本を生きる人間としては極めて自然な判断と言えるでしょう。
無双作品にありがちな「バレたら仕方ない」「力があるなら使えばいい」という発想とは、明確に一線を引いています。
最強なのに、弱いままに見える。
それは臆病だからではありません。
自由に研究を続けるために、あえて檻の外に出ない選択をしているだけなのです。
Dジェネシス最大の特徴|スキルオーブと研究向き能力

この世界では、スキルは強者の証ではありません。
むしろ多くの場合、価値が分からず投げ売りされる存在です。
死にスキル扱いされていたステータス系スキルオーブの正体
一般的な探索者は、自分のステータスを把握できません。
レベルは存在せず、
モンスターを倒して得たステータスポイントは時間と日常行動に応じて自動的に割り振られていく。
つまり――
どの能力が伸びているのか、どの数値が戦闘に影響しているのか、本人には分からない。
このせいで、
ステータスに作用するスキルオーブは「効果が実感できない死にスキル」扱いされ、市場では二束三文で投げ売りされています。
ですが主人公だけは違う。
彼は
・ステータスを可視化できる
・ステータスポイントを任意に振り分けられる
この二点により、死にスキルだったスキルオーブの真価に気づいてしまいます。
投げ売りされていたスキルオーブを集めて、情報格差で荒稼ぎする――そんな話では終わりません。
主人公たちが一歩踏み込んだのは、「なぜこのスキルオーブはハズレ扱いされているのか」という原因そのものです。
答えは単純で、一般探索者には自分のステータスが分からない。
効果を確認できない以上、ステータスに作用するスキルオーブは永遠にハズレスキルのままです。
ならばどうするか。
主人公たちが出した結論は、スキルを売ることではなく、**ステータスを可視化できる仕組みを作ること**でした。
もし自分の能力値が分かる機械があれば、探索者全員がその価値を理解できる。スキルオーブの評価基準そのものが変わる。
それは一部の人間が得をする商売ではなく、探索者全体が喉から手が出るほど欲しがる商品です。
結果として、世界の成長システムに踏み込んだ発想が、とてつもない価値を生むことになる。
この時点で、読者ははっきり理解するでしょう。
この作品は、力で殴る物語ではなく、**仕組みを作る物語なのだと。**
モンスター能力を選べるという異常性
さらに物語は、ステータスポイント獲得条件を調べるために訪れたダンジョンでもう一段ギアが上がります。
主人公はそこで、討伐したモンスターが持つ能力をスキルオーブとして選べるという事実に行き当たる。
本来、スキル獲得は運任せ。
ですがここでは
・条件を満たせば
・狙った能力を
・再現性をもって入手できる
完全に“研究対象”になっている。
一般探索者にとっては宝くじのようなスキル獲得が、主人公にとっては検証と選択の結果に変わっていく。
これらの要素が重なった結果、主人公のスキル構成は他の誰とも噛み合わない、異常な完成度へと向かっていきます。
スキルが強いのではありません。
スキルの価値を理解できる環境にただ一人立っているだけなのです。
この一連の流れは、「強いスキルを引き当てたから凄い」のではありません。
**Dジェネシス ダンジョンが出来て3年**が描いているのは、力や運ではなく、世界の仕組みを理解し、再定義できる者が価値を生むという構図です。
スキルオーブは偶然の当たりではなく、研究と検証の末に“意味を持つもの”へ変わる。
そしてその発想は、個人の強さを超えて、社会そのものに影響を及ぼしていく。
この時点で、もう分かるはずです。
この作品は、
ダンジョンで稼ぐ話ではない。
考えることそのものを楽しむための物語なのだと。
金のためじゃない。知的好奇心で攻略されるダンジョン
ダンジョンに潜る理由といえば、金、名声、生存のため。
多くの作品では、だいたいこのどれかです。
ですが**Dジェネシス ダンジョンが出来て3年**では、その前提が少し違います。
主人公たちがダンジョンに向かう動機は、危険を冒して一攫千金を狙うことでも、英雄として名を上げることでもありません。
「確かめたい」
ただそれだけです。
命がけではなく実験場として潜る異色の展開
ステータスポイントはどうすれば増えるのか。
日常行動と成長の関係はどこまで影響するのか。
モンスターの能力は、どの条件でスキルオーブとして取得できるのか。
主人公たちがダンジョンに持ち込むのは、覚悟や根性ではなく、仮説と検証のための準備です。
だからこそ、
無理な突撃はしない。
勝てない戦いは避ける。
命を賭ける場面は、意図的に減らされていきます。
ダンジョンは死地ではなく、条件を切り分けるための実験場。
この姿勢は、
「ダンジョン=危険な場所」というお約束を正面から裏切ります。
強さよりも理解を優先するから面白い
多くの無双作品では、強さが先にあり、理解は後回しにされます。
しかし本作では逆です。
理解が進んだから、安全に強くなれる。
分かったからこそ、無茶をしなくて済む。
この順序が一貫しているから、物語には独特の落ち着きと納得感があります。
派手なバトルがなくても、「次は何が分かるのか」が気になって読み進めてしまう。
ダンジョン攻略が、戦闘の勝ち負けではなく、発見の積み重ねとして描かれている。
これが、Dジェネシスが、
“考えるのが楽しいダンジョン作品”
と言われる理由です。
それでも緊張感が失われない理由
命がけではない。
だからといって、緊張感がないわけではありません。
むしろ逆です。
一つ判断を誤れば、これまで積み上げてきた検証が無駄になる。社会的に目立ちすぎれば、国や組織に目を付けられる。
だから慎重であり続ける。
だから考え続ける。
この“静かな緊張感”が、派手な戦闘とは別の読み応えを生み出しています。
この章のまとめ
Dジェネシスのダンジョン攻略は、稼ぐためでも、生き残るためでもない。
理解するために潜るという、極めて異色なスタイルなのです。
試さずにはいられない主人公と、世界と交渉する相棒
**Dジェネシス ダンジョンが出来て3年**の面白さは、主人公一人の才能だけで完結しないところにあります。
思いついたら、試したくなる。
仮説が浮かんだら、現場で確かめに行きたくなる。
主人公は、
机に向かって考え続けるタイプではありません。
身体が先に動いてしまう、実験者気質の人間です。
だからこそ、彼の隣にはもう一人、欠かせない存在がいます。
仮説を現場で拾い、整理する役割分担
主人公の役割は明確です。
・思いつく
・動く
・試す
・違和感を持ち帰る
一方で、その結果を整理し、数字や理屈に落とし込み、次の仮説へと繋げるのが後輩の役割。
二人は同じように知的好奇心が強い。
ですが、アプローチが違う。
主人公が
「これ、どうなるんだろう?」
と現場に飛び出すのに対し、
後輩は
「じゃあ、その結果をどう解釈する?」
と一歩引いた視点で全体を組み立てる。
この役割分担があるから、ダンジョン攻略は勢い任せにも、机上の空論にもならない。
目立たないために前に立つ“近江商人”という立ち位置
後輩は自らを
「近江商人」だと名乗ります。
先輩が稼ぐなら、
自分はその矢面に立つ。
交渉も商売も引き受ける。
そのうえで、
「先輩に寄生して、
ピンハネする気満々の近江商人です!」
と、いい笑顔で言い切ってしまう。
厚かましいようでいて、
実際には、
目立ちたくない先輩の意向をきちんと理解したうえでの立ち回りです。
天才の独走にならないから、物語が面白い
もし主人公が、考えて、動いて、交渉して、すべてを一人でこなしていたら。
この物語は、ただの天才無双になっていたでしょう。
ですが実際には、
・動いて確かめる人間
・整理し、交渉する人間
が並走している。
だからDジェネシスは、
「一人の天才の物語」ではなく、思考と行動が噛み合ったチームの物語として成立しています。
試さずにはいられない主人公と、
世界と交渉する相棒。
この二人の関係性そのものが、Dジェネシスという作品の知的な面白さを支えているのです。
📘 原作はKindle Unlimitedで試せます
ちなみに原作小説はKindle Unlimitedの対象で、現在6巻まで読み放題。
「いきなり買うのはちょっと…」という人でも、合うかどうかを気軽に確かめられます。
※合わなければ1巻で止めてOK。方向性がはっきり分かるタイプです。
知識を並べるのではなく、使ってくる物語
**Dジェネシス ダンジョンが出来て3年**を読んでいて強く感じるのは、この作品がいわゆる「教養がある」作品とは少し違う、という点です。
専門用語や固有名詞は、米印付きで丁寧に解説されることが多く、読者を置いていかない配慮もちゃんとある。
けれど内容を追っていくと、ふと立ち止まってしまう瞬間がある。
「……なんでそんなことまで知ってるんだ?」
そう思わされる知識が、あまりにも自然に差し込まれているからです。
神話もワインも、雰囲気では終わらない
後輩の相棒が語るワインの話。
主人公と相棒が共有している神話的な知識。
これらは、
キャラを賢く見せるための飾りではありません。
物語が進むにつれて、
それらの知識はダンジョン攻略の仮説や判断材料としてきっちり結びついていきます。
神話は「それっぽい名前」ではなく、構造を考えるためのヒントになる。
嗜好や教養は、キャラクターの思考回路そのものとして機能している。
だから読んでいて、知識が浮いて見えない。
オタク知識が“実戦投入”されていく感覚
映画や小説で聞いたことのある名言。
一度は口にしてみたくなる決め台詞。
ITやアーキテクチャ方面の知識。
戦闘機や軍艦、空母の価格感覚。
扱っているジャンルは雑多です。
けれど、それらは
「知っていることを見せたい」から引っ張り出されているわけではありません。
使える場面があるから、使っている。
その姿勢が一貫しています。
象徴的なのが、
オペラ座の怪人のコスプレでダンジョン探索を行い、身バレを防ごうとする展開です。
発想の出発点は、
「顔を隠せば何とかなるだろう」
という、かなり軽いもの。
そこに後輩が趣味を混ぜ込んだ結果、あの姿が出来上がる。
主人公自身も最初は抵抗を示しますが、コスプレに視線が集まれば、自分個人には注目されにくい。
身バレするよりは、よほどマシだ。
そう納得して受け入れていく。
この判断は合理的でありながら、どこか詰めが甘い。
行動力が先に立ち、リスクの総量を考え切る前に動いてしまう。
この“軽さ”と“危うさ”の同居こそが、
試さずにはいられない主人公という人物像を、よく表しているように感じます。
知識が多いのではなく、知識の使い方が上手い
この作品がすごいのは、知識量そのものではありません。
集めた知識を、そのまま飾らず、どう使うかを考えている。
だからこそ、
神話も、音楽も、ワインも、すべてが物語の中で意味を持つ。
知識があることを誇るのではなく、知識を使って状況を打開していく。
この感覚があるから、Dジェネシスは
「設定が多い作品」ではなく、考えるのが楽しい作品として成立しています。
この章のまとめ
Dジェネシスの知的な魅力は、知識を並べて見せることではありません。
集めた知識を、
現場に持ち込み、
実際に使ってみる。
その姿勢そのものが、この物語の空気を作っています。
スローライフを許さない世界と手痛いしっぺ返し
ここまで読んできて、「この主人公たち、ずっと安全圏で好き勝手やれてるな」と感じた人もいるかもしれません。
ですが**Dジェネシス ダンジョンが出来て3年**は、そんな甘い世界ではありません。
知識を集め、仕組みを理解し、目立たないように立ち回っていても、世界の側がそれを放っておかない。
目立たないつもりでも、必ず目を付けられる
どれだけ慎重に行動しても、価値のあるものを生み出せば、必ず誰かの視界に入る。
スキルオーブの価値を再定義し、ステータス可視化という概念に踏み込んだ時点で、主人公たちはもう「一般探索者」ではありません。
国、企業、組織。
善意も悪意も含めて、彼らは一気に注目の対象になります。
スローライフを目指しているつもりでも、世界がそれを許さない。
主人公たちに悪意を向ける者たちの存在
注目が集まれば、当然、歪んだ欲望も寄ってきます。
ルールの隙を突こうとする者。
情報を独占しようとする者。
正規ルートを使わずに、利益だけを吸い上げようとする者。
彼らは、力で奪いに来るわけではない。
情報と資金、そして市場の動きを利用して、
合法の顔をしたまま踏み込んでくる。
だからこそ主人公たちは、個人の力ではなく、制度や市場そのものを理解したうえで、より大きな枠組みで対抗する。
ズルを力で潰すのではなく、ズルが通用しない構造を先に作ってしまう。
そのやり方が、とにかく痛快だ。
知的な物語だからこそ、報復が気持ちいい
この作品が上手いのは、敵役もまた「知能犯」である点です。
力で殴れば終わる話ではない。
だから主人公たちは、同じ土俵に降りて対処します。
ルールを理解し、制度を逆手に取り、
こちらが正しい形で報復する。
暴力ではなく、知識と構造で殴り返す。
ここまで積み上げてきた調査・検証・理屈が、この瞬間に一気に活きてくる。
だからこそ、
このカタルシスは格別です。
まとめ|Dジェネシスはこんな人におすすめ
**Dジェネシス ダンジョンが出来て3年**は、いわゆる“流行りのダンジョン無双”とは、かなり手触りの違う作品です。
だからこそ、
合う人にはとことん刺さり、合わない人には最初から合わない。
その線引きが、わりとはっきりしています。
こんな人には、間違いなくおすすめ
・無双や溺愛テンプレに、少し疲れてきた
・強さよりも「なぜそうなるのか」を考えるのが好き
・設定やシステムを読むのが楽しい
・主人公が万能すぎない方が安心できる
・知識や理屈で状況をひっくり返す展開が好き
・派手な暴力より、制度や構造で殴り返す話が好き
このどれかに心当たりがあるなら、Dジェネシスはかなり相性がいい。
逆に、こういう人には合わないかもしれない
・とにかく爽快な俺TUEEEEが読みたい
・戦闘シーンが連続しないと物足りない
・細かい設定や検証パートが苦手
・主人公が勢いで全部解決してほしい
この作品は、
「分かってから強くなる」物語なので、スピード感だけを求めると、少し回りくどく感じるかもしれません。
それでも、一度は1巻を読んでほしい理由
Dジェネシスは、
1巻を読めば、作品の方向性がすべて分かるタイプの小説です。
・世界のルール
・主人公の異常性
・知的好奇心を軸にした物語の進み方
これらが最初から丁寧に提示される。
だからこそ、
「合うかどうか」を読者自身が判断しやすい。
無理に引き延ばしたり、後出しで方向転換する作品ではありません。
個人的な感想として
この作品を読んでいて一番好きなのは、「正しさ」や「力」で勝つ話ではなく、理解している側が、最終的に勝つ話であるところです。
試さずにはいられない主人公と、
世界と交渉する相棒。
軽さと危うさを抱えながら、それでも前に進んでいく姿が、どこか現実的で、信用できる。
ダンジョンものが好きで、もう一段深いところを読みたくなった人に、ぜひ手に取ってほしい一作です。
迷ったら、入口はどちらからでもOK
ここまで読んで「合いそうだな」と感じたなら、入り口はどちらでも大丈夫です。
絵で世界観を掴みたい人はコミカライズ。設定や思考をじっくり味わいたい人は原作小説。
原作はKindle Unlimited対象で、現在6巻まで読み放題なので、まずは気軽に試せます。
※合わなければ1巻で止めてOK。刺さったら長く付き合えるタイプです。
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